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電脳千句第五  賦青何連歌百韻  二折表    2014.6.25-

yasainofune1.jpg

   永らふる命の涯の物狂ひ            衣

    問へど応へぬ鳥ぞ悲しき            梯

   しみじみと山家に弦の響く夜           歳

    梓弓はるもののふの影             草

   流されし身にいくたびの雪ぞ降る         風

    隠岐の水草を枯らすよこかぜ         舎

   冬ごもりするものありや岩のうろ         香

    訳さまざまに奥駈道を              歳

   脚萎えの人に連れそふ童子ゐて        花

    御衣の薫りゆかしくもあり            衣

   訶梨勒のひも鮮かに真木柱            梯

    しづのをだまきめぐりくる秋           歳

   ため息に露けき袖を後の月            草

    戻らぬ猫を思ふやや寒              風
          





    



 

       

  

                                    <進行表はこちら>


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連歌楽歳

羽衣さまから郵送で2折表折立の「付け届け」を頂きました。

  1折裏14治定
 歌よみの文枕辺におき

  2折表1付け
 限りあるいのち(命)尽して画(えがく 描く 絵かく)富士(不二)  羽衣
 子等思ふこころ(心)変はらじよろづ(万)の代(世)
 永らへる命の涯(果て)の物狂い
 玉の緒を沫緒に繕りて結ぶらむ
 うたかたの夢浮橋覚めやらで

       *

 限りあるいのち尽して画く富士
雑 命は2句もの(只1、虫の命など1) 北斎の面影でしょうか。いい句なのですが、富士は山類、5句前に山。ぎりぎりひっかかります。残念です。(不二はお菓子の不二家のイメージがひっかかるので、富士)

 子ら思ふこころ変はらじ万の代
雑 子は人倫 「世」は5句ものですが、「代」にはしばりがありません。ところで、2句前(打越句)に「民」があります。連歌は連句と違って、人倫の打越を嫌います。
 (万代か、万世か。似たようなものですが…)

 永らへる命の涯の物狂い
雑 命は2句もの。久保田万太郎の句「湯豆腐やいのちのはてのうすあかり」はひらがなを使っていますが、漢字を使うなら、ここは「果て」よりもやはり「涯」の方が似合うでしょう。

 玉の緒を沫緒に縒(よ)りて結ぶらむ
雑 玉の緒は2句もの、命とは同じ折を避ける。『伊勢物語』 (35段)の「玉の緒をあは緒によりて結べれば絶えての後も逢はむとぞ思ふ」の本歌取り。

 うたかたの夢浮橋(ゆめのうきはし)覚めやらで
雑 夢浮橋の「橋」は5句もの(只1、 御階1、 梯1、名所1、浮橋1) 夢浮橋は夢のことなので夜分。


by 連歌楽歳 (2014-09-25 22:04) 

連歌楽歳

夢梯さまから郵送で付句を頂きました。

 <2折表1治定>
 永らへる命の涯の物狂い        羽衣

を頂きたいのですが、これは

 永らふる命の涯の物狂い

が良いのではと愚考いたします。間違っていたら御免なさい。

 <2折表2付け>
 はらわたしぼり撰む言の葉       夢梯
 尋めゆく野辺は萩の風のみ
 ありやなしやと問ふもむなしき
 問へど応えぬ鳥ぞ悲しき
 塚も動けと抱くまぼろし

    *
夢梯さまご指摘の「永らへる」→「永らふる」の件ですが、調べてみると「永らふ」は下2段活用で「命」に続く連体形は「永らふる」となります。国際日本文化センターの連歌データベースにあたると、「永らふる」の用例は多数ありましたが、「永らへる」の用例は見当たりませんでした。「永らふる」とします。

     *
 はらわたしぼり撰む言の葉       夢梯
雑 はらわたは人体 「さしも秋の夕べは、はらわたを断ち侍るうちにも、さすがに感情深き雲風のけしき、捨てがたしと云へるか(心敬連歌自註)」(岩波古語辞典)のような散文での使用例はあるが、連歌自体での用例は見当たらない。言の葉は2句もの(詞1、ことの葉1)、「ことの葉の道」は別にあり 「撰(えら)む」は「撰ぶ」に同じ

 尋めゆく野辺は萩の風のみ
秋 萩は木類 野辺は地儀 「尋(と)め行く」は尋ね行く
5句前に梅のこずゑ(木類)があります。木類は5句隔てる。

 ありやなしやと問ふもむなしき
雑 

 問へど応えぬ鳥ぞ悲しき
雑 鳥類

 塚も動けと抱くまぼろし
雑 


by 連歌楽歳 (2014-10-01 21:23) 

連歌楽歳

訂正

先ほど「萩」を木類としましたが、歌の世界では萩は「草」の扱いでした。『連珠合璧集』にも、草類の方に収められています。おわびして訂正します。

楽歳
by 連歌楽歳 (2014-10-01 21:36) 

連歌楽歳

先週末は愛知、今週末は秋田、その間に急ぎの原稿を抱えて、如月さまは超ご多忙のご様子です。そこで今回は勝手ながら楽歳が当番を譲り受けました。なお、既定の付け順は変わりません。


2折表2には、

 問へど応へぬ鳥ぞ悲しき   夢梯

をいただきます。

 ①永らへる命の涯の物狂い        羽衣
 ②問へど応えぬ鳥ぞ悲しき        夢梯

と並ぶと、この2句の間に隠れているキー

 此秋は何で年よる雲に鳥   芭蕉

が見えてきます。


 <2折表3付け>
 このごろはあしたに聞きし道忘れ
 いまさらと釣瓶落としの陽を前に
 しみじみと上手の弦の響く夜

   *
 このごろはあしたに聞きし道忘れ
雑 あした(朝)は時分 

 いまさらと釣瓶落としの陽を前に
雑 陽は光物 釣瓶落としの陽で時分(夕)

 しみじみと上手の弦の響く夜
雑 夜分 上手は名手の意味なので人倫かも


by 連歌楽歳 (2014-10-10 15:55) 

千草

しみじみと上手の弦の響く夜  楽歳

いただきまして

  付け

      梓弓はるもののふの影  千草
      しで新しき弓矢八幡
      小暗き隈を残すみ燈し
      涙の数をかぞへたまへり

なほ、羽衣さまより
物狂いは物狂ひではないかとの
お言伝をお預かりいたしました。

よろしくお願い申し上げます。
by 千草 (2014-10-13 15:54) 

連歌楽歳

台風接近で外出もままならず、連歌百韻でもやるしかないですね。

    *

 梓弓はるもののふの影  千草
雑 神祇(梓弓はシャーマンの道具で、おそらく神祇) もののふは人倫

 しで新しき弓矢八幡
雑 神祇(紙垂、弓矢八幡)

 小暗き隈を残すみ燈し
雑 神祇または釈教(み燈し)

 涙の数をかぞへたまへり
雑 涙は『連珠合璧集』によると、恋を暗示する語ですが、この句単独では恋の句と断定できず、判断は付け句が出てから。

     *

――「なほ、羽衣さまより物狂いは物狂ひではないかとのお言伝をお預かりいたしました」の件。

いや、これはとんだ失礼をいたしました。羽衣さまにはたいへん申し訳けのないことです。羽衣さまから頂いた手書きの句には「永らへる」「物狂ひ」と正しく歴史的仮名遣いで書かれていましたが、楽歳がPCで転記してサイトに送る段階で、現代仮名づかいになり、楽歳が修正を怠ったせいです。

by 連歌楽歳 (2014-10-13 17:51) 

梢風


  梓弓はるもののふの影       千草

    付
賞めらるる弟は父の血の濃くて    梢風
流されし身にいくたびの春ぞ来る   〃
あやにくの優しさになほいらつなり  〃

楽歳様よろしく御吟味加朱お願い致します。

by 梢風 (2014-10-15 06:47) 

連歌楽歳

 賞めらるる弟は父の血の濃くて           梢風
雑 人倫

 流されし身にいくたびの春ぞ来る  
春 人倫(身) あやにくに、6句まえに「のどけくも」と春の句があります。連歌では同季7句を隔てるのがしきたりです。

 あやにくの優しさになほいらつなり 7
雑 

「弟」「父」「身」は人倫。この2句ともに打越の「上手」とバッティングの可能性があります。鳥が出て来たので、ふとカザルスが半世紀も前にホワイトハウスで奏でた『鳥の歌』を連想した打越句の作者の読みは「じょうず」でした。しかし「上手」を「かみて」と読めば方角を示す語となり、人倫打越は避けられます。梢風さまはそう読まれたのでしょう。

 しみじみと上手の弦の響く夜  楽歳



 しみじみと山家に弦の響く夜  楽歳
雑 山類・居所(山家) 夜分

と変えます。

 しみじみと山家に弦の響く夜   楽歳
 梓弓はるもののふの影       千草

また、

 流されし身にいくたびの春ぞ来る

は、
 
 流されし身にいくたびの雪ぞふる
冬 降物(雪) 人倫(身)

でいかがでしょうか? 後鳥羽上皇は隠岐へ、順徳天皇は佐渡へ。承久の乱です。


by 連歌楽歳 (2014-10-15 21:08) 

梢風

楽歳様、鮮やかな采配感じ入りました。このように取り上げて頂ければ幸いです。よろしくお願い致します。  梢風
by 梢風 (2014-10-16 00:23) 

蘭舎

秋高しの一日。気持ちも晴れ晴れいたします。
久し振りに、溜め込んでしまった家事が捗りましたこと、天に感謝。

流されし身にいくたびの雪ぞふる  

この句をいただきまして・・・・・

すがたは見えでこゑのみの海   蘭舎
湖のむかひの鐘凍つるころ
なにとか冬を過ぐす松ヶ枝
火にも水にもなりぬべしとて
隠岐のみくさ(水草)を枯らすよこかぜ

よろしくご吟味くださいませ。
by 蘭舎 (2014-10-17 19:10) 

連歌楽歳

  やや肌寒くなら山の秋
 かけ干して打つや衣のさほの内   専順
           (竹林抄 巻3 秋)

      *

 すがたは見えでこゑのみの海        蘭舎
雑 海は水辺体、2句もの(只1、名所1、わたつみなど別にあるべし)

 湖のむかひの鐘凍つるころ
冬 凍つる 水辺体(湖) この鐘は釈教の鐘でしょう 「ころ」とありますが時分は不明

 なにとか冬を過ぐす松ヶ枝
冬 木類 「松ヶ枝」というカタカナ交じりの表記は連歌では珍しい。「松が枝」とひらがなにしましょう。

 火にも水にもなりぬべしとて
雑 水は水辺用 火は4句もの(蛍火は別)

 隠岐のみくさ(水草)を枯らすよこかぜ
冬 草枯れは冬 国郡 草類・水辺用(水草) 風は吹物 横なぐりの雨を「横雨」と申します。上昇気流やダウンバーストもありますが、地上の風はたいてい横に吹きます。




by 連歌楽歳 (2014-10-17 23:03) 

連歌楽歳

訂正

 湖のむかひの鐘凍つるころ  蘭舎

「この鐘は釈教の鐘でしょう」と書きましたが、これは間違い。鐘は4句もので、只1、釈教1、入相1、異名1です。よくよく考えてみると、この鐘は時鐘の可能性が高く、「ただの鐘」でしょう。釈教の鐘は、

 秋の日の夕べの寺に鐘なりて  心敬

のように、釈教の鐘である状況が明示されるようです。

by 連歌楽歳 (2014-10-18 21:47) 

遊香

雅な世界へとスイッチが入れられず、苦心惨憺しております。

隠岐の水草を枯らすよこかぜ 蘭舎

いただきまして、
付け

焚き火あとわらべのこゑを聞くやうな  遊香
すげなげに石をあらひて冬の浪
ふところに猫の温みをたどりつつ
冬ごもりするものありや岩の洞

楽歳さま、よろしくお手直しください!

by 遊香 (2014-10-20 07:51) 

連歌楽歳

 焚き火あとわらべのこゑを聞くやうな     遊香
冬 焚火 人倫(わらべ) 第5句に人倫(身)があります。人倫を避けて、

 焚き火あと遠くにこゑを聞くやうな

あたりでどうですか?

 すげなげに石をあらひて冬の浪
冬 浪は水辺用

 ふところに猫の温みをたどりつつ
雑 獣類(猫) 気分は冬なのですが……

 冬ごもりするものありや岩の洞
冬 岩は地儀

by 連歌楽歳 (2014-10-20 12:45) 

連歌楽歳

 冬ごもりするものありや岩の洞   遊香

を頂いて、

<2折表8付け>
 九年をかけて悟りひらける   楽歳
 本宮までは奥駈道で
 馬鹿牛を壁に描ける

    *

九年をかけて悟りひらける
雑 達磨のおもかげなので釈教 九年は数詞

本宮までは奥駈道で
雑 本宮・熊野詣なので神祇(奥駈道は旅にあたるか?) 

馬鹿牛を壁に描ける
雑  ここの鹿は無季 獣類


by 連歌楽歳 (2014-10-22 11:41) 

連歌楽歳

訂正

 冬ごもりするものありや岩の洞

「洞」は何と読むのでしょうか? 『連歌新式』にあたると「洞」(ほら)は山類体となっていました。山類は4句前に「山家」があり、具合がわるい(山類は互いに5句を隔てる)。そこで「洞」を「ほら」ではなく「うろ」と読めばOKかもしれません。誤解を避けるために、「うろ」とひらがな書きでいかがでしょう?

by 連歌楽歳 (2014-10-22 13:54) 

遊香

楽歳さま
いろいろ、ありがとうございます。
「洞」(ほら)と思っていましたが、山類になるのですね。
なるほど「うろ」とするのがいいですね!

by 遊香 (2014-10-22 20:58) 

路花

楽歳さま
遅くなって申し訳ありません。紅葉の美しいポスターが旅心を誘います。
  本宮までは奥駆道で
をいただきます。
  異国の人らし訛りの声まじり
  脚萎えの人に連れそふ童子いて
  わが旅の終わりはいずこ風が吹く
いつもながら拙い作品お許しくださいませ。どうぞご指導を。路花
by 路花 (2014-10-29 17:58) 

連歌楽歳

町を歩くとコートを着ている人がいました。

       *

 異国の人らし訛りの声まじり
雑 国郡(異国) 人倫 打越に「隠岐」(国郡)があります。そこで、国郡を消すために、
 いづこより来られし人ぞその訛り
雑 人倫
でお茶を濁しませんか?

  脚萎えの人に連れそふ童子いて
雑 身体 人倫 童子(わらべ? わらし?)

  わが旅の終わりはいずこ風が吹く
雑 旅 風は吹物

   *

訂正
 本宮までは奥駈道で   楽歳
「本宮」は神祇、3句前に「梓弓」(神祇)がありました。神祇と神祇は5句隔てる。そこでこの句を以下のように変更します。
 熊野ゆくなら奥駈道で
雑 名所 旅 『連歌新式』に「国の名と国の名は3句隔て、国の名と名所は打越を嫌う」とあります。隠岐は旧国名、熊野は地域の総称で名所ですので連続しても問題はなさそうです。

by 連歌楽歳 (2014-10-29 21:26) 

連歌楽歳

またまた見落とし。
 わが旅の終りはいづこ風が吹く   路花

ですが、3句前に隠岐のよこかぜが吹いていました。風(吹物)は5句隔てます。そこで、

 わが旅の終りはいづこ日は落ちて

などいかがでしょうか、ちょっと安直ですが、緊急避難です。良案があればお知らせください。
雑 旅 光物 時分(夕)

by 連歌楽歳 (2014-10-30 00:28) 

路花

楽歳様
ご指導ありがとうございます。
熊野道ではなく戸隠の奥社に行く道だったのですが、肺活量のない私は息も切れ切れ…座り込んでいる私に声をかけながら追い越していく人々の中に、ガンバテクダセイなんて妙な声があったのを、奥駆道という、知らなかった言葉で思い出しました。
いづこより…になって、余計にその時のことを懐かしく思い出しました。
by 路花 (2014-10-30 10:24) 

連歌楽歳

●羽衣さまより郵便で以下の通り治定・付け句のご連絡を頂きました。


<2折表第9治定>
脚萎えの人に連れそふ童子いて

<2折表第10付け>
 世が世なれ(ら)ばと悔やむはらから
 いとすさまじき商(あきな)ひの術(すべ)
 懲りずまに又投ぐる骰子(さいころ)
 御衣(おんぞ)の薫りゆかしくもあり
 絵巻ながらに心打つなり

(連歌にも夏の月がゆるされるのなら)
 月なきほとり蛍とびかふ
 蛍の光月影に失せ

        *
 世が世なればと悔やむはらから
雑 世は5句もの(只1、浮世・世の中の間に1、恋の世1、前世1、後世1) 世を詠み込んだ句は大抵「述懐」となる はらからは人倫。「なれば」「ならば」の使い方については、詳しくは文法学者に。古い形の「ならば」が「なれば」に変化していったようです。

 いとすさまじき商(あきな)ひの術(すべ)
雑 「すさまじ」は一律に秋という説と、秋でない「すさまじ」もあるいう説が古くからあり、一律秋説が有力ですが、この句の場合、秋でない方がよろしいかと存じます。

 懲りずまに又投ぐる骰子(さいころ)
雑 賽を投げるのはカエサル、凡人は賽を振る。すると運よく「子」がぬける。
 懲りずまに又賽を振りけり

 御衣(おんぞ)の薫りゆかしくもあり
雑 衣類

 絵巻ながらに心打つなり
雑 「ながら」は「さながら」がわかりやすいかも。
 絵巻さながら心打つなり


(連歌にも夏の月がゆるされるのなら)
 月なきほとり蛍とびかふ
夏 蛍は虫類 月は光物 夜分

 蛍の光月影に失せ
夏 蛍は虫類 月は光物 夜分

 (連歌の場合、「花」は私が見た限りでは春だけですが、「月」は春夏秋冬で使われています。たとえば、兼載「聖廟千句」の第9に「いなづまほども夏の月かげ」

●再訂正
とんまな話ですが、2折表第6句の隠岐(旧国名)と第8句の熊野(地域名)が打越になっていることに気づきました。原因は不明(老化かも)ですが、思うに両者が隣接する句で使われていると、カン違いしたようです。そこで

 熊野ゆくなら奥駈道で



 訳(わけ)さまざまに奥駈道を
雑 旅

と再訂正します。


by 連歌楽歳 (2014-11-04 22:58) 

連歌楽歳

訂正
「蛍の光月影に失せ」とあるは、正しくは

 蛍の暉月影に失せ

入力のさいのミスでした。
by 連歌楽歳 (2014-11-04 23:31) 

連歌楽歳

夢梯さまから2折表10の治定、同11の付けを郵送でいただきました。

<2折表10>
 御衣の薫り行かしくもあり     羽衣

<2折表11>
 付け

 訶梨勒のひも鮮かに真木柱      夢梯
 おほけなき宣旨下され手車に
 湧き出づる湯もあらたかに隠れ宿
 諸々の神に捧ぐる幣の束

     *
 訶梨勒のひも鮮かに真木柱
雑 居所(柱) 訶梨勒は室町時代に始まった座敷の柱飾り
      
 おほけなき宣旨下され手車に
雑 手車(輦車/輦)の宣旨とは、牛車の通行を禁じた皇居の内郭で、手車に乗ることを許可する宣旨と辞書にありました。

 湧き出づる湯もあらたかに隠れ宿
雑 旅 この湯は水辺か非水辺かで議論のあるところ

 諸々の神に捧ぐる幣の束
雑 神祇 神は3句もの(只1、神代1、名所神1)


by 連歌楽歳 (2014-11-11 22:10) 

連歌楽歳

<2折表11>

 訶梨勒のひも鮮かに真木柱

をいただいて、

<2折表12>

付け
 四条烏丸隠り居の秋       楽歳
 荻の声きく大原の里
しづのおだまきめぐりくる秋
     
     *

 四条烏丸隠り居の秋     
秋 四条烏丸は地名 

        
 荻の声きく大原の里
秋 荻は草類 里は居所体、大原は一応歌枕・名所

 しづのおだまきめぐりくる秋
秋 


by 連歌楽歳 (2014-11-13 13:16) 

千草

 しづのおだまきめぐりくる秋  楽歳

付け

   来ぬ人の面影ばかり三日の月   千草
   
   これやこの鹿の声さへつまどひの

   二人見し峯は紅葉の色重ね

   ため息に露けき袖を十三夜

よろしくお願いします。  


 


by 千草 (2014-11-14 09:24) 

連歌楽歳

<2折表12>

 しづのおだまきめぐりくる秋  楽歳

<2折表13>

付け

   来ぬ人の面影ばかり三日の月       千草
秋 月 夜分(『産衣』には出る三日月だけが非夜分とあり) 恋 人倫 面影は2句もの(只1、花月などに1) 数詞
   
   これやこの鹿の声さへつまどひの
雑 秋 この季節鹿が鳴けば古来つまごい。「われならぬ人もあはれやまさるらむ鹿鳴く山の秋の夕ぐれ」(新古今・土御門内大臣) 鹿は獣類  妻はメスの鹿であると同時に人倫でもあろう

   二人見し峯は紅葉の色重ね
秋 恋 山類 紅葉は木類で3句もの(只1、梅桜など1、草の紅葉1) 人倫 数詞 

   ため息に露けき袖を十三夜
秋  月(十三夜) ため息・露けき袖は恋の句の定型 露は降物 袖は衣類 夜分 ところで、「十三夜」ですが、二十一代集にも日文研連歌データベースにも本文での使用例がありませんでした(歌の前詞では使われていました)。連歌では「後の月」の本文使用例が数件だけありました。そういうわけで、十三夜を後の月と入れ替えませんか? というのも『産衣』には「十六夜の月」という言葉はありますが、「十六夜」だけでは月とみなさないいようですから。

 ため息に露けき袖を後の月

by 連歌楽歳 (2014-11-14 21:36) 

千草

楽歳様

拙句の十三夜を後の月としていただいて
ありがとうございました。

先日銀座で見た朗読劇『十三夜』がとても良くて
そのオマージュでしたが、

確かに手元の古語辞典に「十三夜」は載っていないのですね。
十五夜もです。

また、手もとの小さい季寄せだけでは
頼りになりませんが、
江戸時代は芭蕉の木曽の痩など、みな後の月で
一例だけ、十三夜。
十三夜は明治の虚子以降ぐっとポピュラーになるのですね。
きっかけは一葉さんだったりしないかしらと思いました。
自分のテーマとしてもうすこし調べてみたいです。

たいへん勉強になりました。


by 千草 (2014-11-15 07:45) 

梢風


ため息に露けき袖を後の月     千草   

     付

 戻らぬ猫を思ふやや寒       梢風
 掬へば法の水のさやけき      〃
 鵙の黙してよりの暗闇        〃

○「十三夜」の吟味面白く拝見しました。季語としていつ頃から認知されたかということと同時に、このような漢字熟語(俳言)が歌語にそぐわないということもあるかも知れませんね。「後の月」は確かに安心です。楽歳さまよろしく御吟味下さい。

by 梢風 (2014-11-21 23:19) 

連歌楽歳

 戻らぬ猫を思ふやや寒       梢風
秋 やや寒(室町連歌のころは「やや寒し」「やや寒き」と形容詞で使われましたが、連歌から俳諧への移行期頃から連歌でも「やや寒」の形が現れるようになりました。 猫は獣類

 掬へば法の水のさやけき
秋 さやけき 法の水は釈教(煩悩を洗い流す仏法の力を水にたとえたもの)。『連歌新式』は法の水に触れていませんが、『産衣』はこれを水辺としています。これはちょっと???ですが、 この句の場合、「掬へば」と始まっているので、たぶん具体的にお寺の手水舎の風景かとも思われますので、水辺用としておきましょう

 鵙の黙してよりの暗闇
秋 鵙は鳥類 鵙の早贄・鵙の草茎・鵙の声のようなものでなく「沈黙の鵙」としたところがミソ。モズは凶鳥で、江戸時代にはモズが鳴く夜は死人が出ると言われていたそうですが、モズが鳴きやんだのちの暗闇というのも怖そうですね。暗闇は夜分かどうか不明


by 連歌楽歳 (2014-11-22 11:31) 

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