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電脳千句第六 賦御何百韻 初折表  2015.7.24~

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    空蝉の見果てぬ夢や明けの空       羽衣

     けふ咲き初めし垣のうの花       千草

    水ぎはに誘はれのんど潤して            遊香

     風の降り来る石山のかげ             梢風

    白き径照らして早も月上る              夢梯

     やがてむら雲遠く稲妻               楽歳

      烏瓜賎が家に灯をともすごと             路花

     もの炊ぐ香の厨口より                如月                
      



  

 

                      

<進行表はこちら>


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コメント 27

連歌楽歳

電脳千句第5の4折裏のコメント欄に寄せられた
羽衣さまの
電脳千句第6百韻発句を
ここに移します。

    *

宗匠さま 皆さま
  暑中お見舞い申し上げます。

台風の故か 連日はや土用東風のように吹き捲くっております。
吹き捲る とははしたなき云い様でしたかしら?失礼申しました。
扨、宗匠さまより 発句との思し召し 斯様な拙き身にはたしてものする
こと能ひませうか?
一応 毛吹草 連歌四季之詞 末夏あたりを参照させて頂きましたが  誠に覚束なく
何卒よろしくご指導、ご一直の程 お願い申し上げます。

   かりそめの(仮初の)和歌の浦へと(かや)風薫る(風待月)
   細蟹のくもや(に)白雨(ゆふだち)待つ薗生
   空蝉の見果てぬ夢や明けの空
   注連(しめ)を截つ祇園会(かみのそのゑ)や稚児の太刀(笑み)

只今遅まきながらカレンダーを見ますと 本日はまさに大暑とのこと
皆々様 くれぐれもご自愛遊ばされますよう!
どうぞ素敵な夏休みをお過ごしください。

誠に有り難うございました。

   
by 羽衣 (2015-07-23 16:34)
by 連歌楽歳 (2015-07-23 22:12) 

連歌楽歳

  かりそめの和歌の浦へと風薫る
夏 風かをる 風は吹物(5句隔てる) 和歌の浦は歌枕・名所、名所同士は3句隔てる。 句の気分は旅。ほんの一時的な気まぐれで連歌の発句をよんでみました、という連句専攻の人からの挨拶の句。「かりそめの筑波の道へ」というストレートを避けて、その奥の「和歌」としたところが一工夫。

  細蟹のくもにゆふだち待つ薗生
夏 ゆふだちは降り物 細蟹(ささがに=蜘蛛、クモは連歌の時代、雑)、虫類 次の「くも」は空の雲で聳物(5句隔てる) 薗生(そのふ)は園に同じ、地儀。

  空蝉の見果てぬ夢や明けの空
夏 ここの空蝉は「春は霞にたなびかれ 夏は空蝉なき暮らし 秋は時雨に袖を貸し 冬は霜にぞ責めらるる」(壬生忠岑・古今集)にあるように生きている「蝉」で虫類(虫類同士は5句、虫と鳥は3句隔てる) 夢は夜分 明けの空は時分か夜分か判定が難しいが、夢にそろえて夜分。空は天象(天象同士は3句隔てる) つくりだされたイメージの解はさまざまでしょう。

  注連(しめ)を截つ祇園会(かみのそのゑ)や稚児の太刀(笑み)
夏 祇園会(ぎをんゑ。「かみのそのゑ」には脱帽ですが、そこまでやらなくても、祇園会はわけあって連歌の季の詞に収められています。しかし、「ぎおんゑ」とすると字数が合わなくなりますね。祇園は祇園精舎で釈教、祇園会は八坂神社の祭礼で神祇) 注連は注連縄に同じ、多くの場合、神祇 稚児は人倫。

山鉾巡行の出発の際の注連縄きりの行事で、テレビで見たことがあります。

  祇園会や注連截つ稚児の太刀の影

といっても、子どもの背後に大人がいて、刀は後ろの大人が握っているのですが。俳諧風ですが、この形で入れておきませんか?

by 連歌楽歳 (2015-07-24 00:49) 

千草

お暑うございます。

パソコンを開けましたら、羽衣様の発句を拝見。

付け順の先頭に千草の名前がありましたので、失礼して脇を付けさせていただきます。

 空蝉の見果てぬ夢や明けの空    羽衣

連歌とは少しところのことですが、ラ・マンチャの男のインポッシブル・ドリームを思い、こちらを頂戴いたしたく存じます。

  付け
    けふ咲き初めし垣のうの花    千草

    石に滴る清水かそけし

    籠(こ)の鳥さそふ風の涼しさ

    七年重ね夏草の原

よろしくお願いいたします。


by 千草 (2015-07-24 14:46) 

連歌楽歳

電脳千句第5の4折裏のコメント欄から移動。

      *

宗匠さま
お暑い中ご多用中を早速に有り難うございました。
昨晩 急用で訂正出来なかったもので誠に失礼申し上げます。
まだ間に合うようでございましたらご検討お願い申し上げます。

    かりそめの和歌の浦へと→ 和歌の浦より では如何でしょうか?
   
六義園などと思し召しください。それとどうでもよろしいのですが

    笹蟹の・・・薗生→園生    と打ったつもりでした 目が悪く失礼
                                    致しました。

 又、 祇園会ぎおんえ と詠んでよろしければ

    祇園会や注連縄切りの稚児の太刀   では如何でしょうか?
                          
                                    
今日あたりでしたね。 さぞかし暑さをつきぬけていることと存じます
お天気はどうなのでしょう。こちらはゴロゴロ始まりました。

扨、宗匠さま(皆さまも)はきっと 思し召しなる拙語に仰天なさっていらっ
しゃる?かと申し訳なく存じますが 当方ごく普通にお考えという意味にて普段より使わせて頂いております。
何卒至らぬ点 ご容赦頂きますよう 反省方々 お願い申し上げます。   
有り難うございました。

    
by 羽衣 (2015-07-24 14:21)
by 連歌楽歳 (2015-07-24 18:41) 

連歌楽歳

●羽衣さま

 かりそめの和歌の浦より風薫る    羽衣
 細蟹のくもにゆふだち待つ園生
 祇園会や注連縄切りの稚児の太刀

お申し出により、気持ちだけですが、上記のように変更しました。

●千草さま

間髪を入れぬ居合抜きのような鋭く素早い発句治定と付け句、誠に恐れ入ります。おかげさまで発句・脇、快調な滑り出しになりました。

本日は年1回の定期胃カメラ検査の結果を聞き、画像所見、組織検査、ピロリ菌検査、すべて問題ないとパスしました。あわせて、土用丑の日なので、ウナギを食べ、放送大学TVでマリアナ沖の日本鰻の発生調査の特別講義を見ました。

さて、

●1折表1治定
 空蝉の見果てぬ夢や明けの空    羽衣

『連歌新式』賦物編によれば、発句の「空」の字から「御空」の語ができるので、今回の百韻は「賦御何百韻」となります。

●1折表2付け
    けふ咲き初めし垣のうの花    千草
夏 うの花は木類 垣は居所体 垣(かきほ、かきね、など)は2句もの けふ(今日)は2句もの

    石に滴る清水かそけし
夏 清水したたる(「ただ清水は雑也。清水むすぶ・清水せくは夏」(無言抄)。俳諧では「清水」だけで夏となって久しい。「清水滴る」には「むすぶ・せく」同等の涼感が感じられる動詞がついているという理解で、夏。清水は水辺用。

    籠(こ)の鳥さそふ風の涼しさ
夏 涼しさ 鳥類(鳥と鳥は5句、鳥と虫は3句隔てる) 風は吹物(5句隔てる)

    七年重ね夏草の原
夏 夏草は草類 数詞(7年とはセミが土中で過ごす歳月の事でしょう。北米には13年蝉、17年蝉が周期的に大発生するという話をきいたことがあります。13・17と素数なのが不思議なのだそうです) 原は地儀

by 連歌楽歳 (2015-07-24 22:09) 

羽衣

宗匠さま
只今 漸く今までのコメント欄を拝読させて頂いております。
いつもながら大変勉強になります。有り難うございました。
空の字から御空の語がつくられるので・・賦御何百韻 のあたり
いつも不可思議に思っておりますので もう少し何かの折にご講義いただけましたら幸いに存じます。

千草さま 
早速のご治定 御付句 有り難うございました。
実は全くの想定外でした。 空蝉って鳴くのですね~





by 羽衣 (2015-07-24 23:55) 

羽衣

追伸
肝心なこと 申し忘れました。
宗匠さま 御身何事もなく 何よりとおよろこび申し上げます。
さぞかし美味しい土用丑の日でございましたでしょう!
私もささやかながらこの日に肖らせて頂きました。
源内さん ありがとう!

皆さまも この酷暑 お元気で乗り切ってくださいましね!
by 羽衣 (2015-07-25 00:32) 

千草

ごきげんよう。

羽衣様の追伸あるとも予想いたしませず、せっかちなことで失礼いたしました。

また、居合抜きとは、恐れ入りました。筑波嶺のがまのあぶらうりみたいでございます。

和歌の浦は田鶴鳴きわたるところで、まことに感銘深く、さらに羽衣様のご推敲ありましたのお気持ちの深さではございましたが、前述の次第で、空蝉句をいただきました。

「空蝉」のように表記されてありましたので、現身のうつせみとはとらず
古語辞典による①蝉の抜け殻、あるいは②蝉の意と解釈いたしました。

by 千草 (2015-07-25 16:11) 

羽衣

千草さま

拙空蝉句 ご採用頂き誠に有り難うございました。
一番お採り願いたい句ではございましたが 多分 ご却下されるものと
思っておりました。自分ながら少々 夢などとは甘すぎるかと・・・
それを ラマンチャにお見立てくださるなんて想定外もいいところ!
こういう裏切りこそすばらしいと存じました。
連歌に措かれましては宗匠さまがなんと仰せられるかは存じませんが
少なくとも俳諧ではそれこそ真骨頂かと勝手に思っております。
あらためて人類の脳空間というものの果てしなさ自由さ素晴しさに
思い至ってしまうのです。
また 居合抜き はこれ以上なき賞賛、べた褒めのお言葉 と存じます。
俳諧的になって恐縮ですが 千草さまが 居合抜きでがまの油うりと
仰せなら 私なんぞ 轆轤首か人魚(ジュゴン?)の木乃伊と
相なりませう。お暑い折の連想とお許し頂きたいのですが
先日 拙の属する連句会での暑気払い句会 当日題 蛍 にて
  生臭き共同幻想ほたる舟  と物してシカとされました・・・
単に蛍が生臭いという共通の先入観があるのかしら という程度の
もので~あらまた大変失礼申し上げました。
格調高き筑波の道よりだいぶ外れてしまいました。
何卒このあたりお忘れください!(でもおたのしみ頂けましたらそれに越したことはございません。真夏の夜の夢まぼろしの如くなり意味不明)
千草さまには心よりの御礼を申し上げたく
今後共どうぞよろしくお願い申し上げます。

    
by 羽衣 (2015-07-26 01:46) 

遊香

連歌百韻、新しいスタートですね。
楽歳さまはじめ、お近くの千草さま、梢風さま、
どうぞよろしくお願い申し上げます。

連日連夜、お暑うございます。付けもひとりでに実感句となりました(笑)。

けふ咲き初めし垣のうの花  千草

いただきまして 付け

白らかを風にそよがせ夏衣    遊香
いそいそとにほひ袋のとほりすぎ
わらんべのきらきら水にあざるこゑ
誘はれてのんどうるほすみづうまや

2句目「いそいそと」は現代語でしょうか?
「ひたひたと」ではちょっと違う感じがするのですが。

4句目「みづうまや(水駅)」は、茶店でかき氷を食べたい心境から、
語感もおもしろくて(笑)、登場させましたが、
差し障るようでしたら「昼さがり」にでも変更します。

よろしくお願いいたします。

ところで「蝉」ですが、現代川柳の、時実新子のお弟子さんたちの句集に、
「夏の扉に爪たてたまま油蝉」
があり、新子が、
――ああ、あまりにも私とだぶるその姿。見たくないと思うほどに目に力が入る。油のかけらもなく乾涸びているのに名前は「油蟬」。…残る眼力で「落ちよ!」と念込めるしかあるまい。何とその爪のしたたかな執念。――
とコメントしたとのこと。何だか、すさまじいですね。

by 遊香 (2015-07-27 08:11) 

遊香

すみません!!
第三句は「て」止まりにするのでした。
下記のように変更いたします。

夏衣の白らか風にそよがせて  遊香
いそいそとにほひ袋の過ぎ行きて
わらんべのきらきら水に戯りゐて
水ぎわに誘はれのんどうるほして

よろしくお願いいたします。

by 遊香 (2015-07-27 13:23) 

遊香

すみません!!
第三句は「て」止まりにするのでした。
下記のように変更いいたします。

夏衣の白らか風にそよがせて    遊香
いそいそとにほひ袋の過ぎ行きて
わらんべのきらきら水に戯りゐて
水ぎわに誘はれのんどうるほして

よろしくお願いいたします。

by 遊香 (2015-07-27 13:26) 

遊香

暑さのせいか(?)、二度同じものが送信されてしまいました。
かさねがさね、失礼いたしました!

by 遊香 (2015-07-27 13:29) 

連歌楽歳

暑いですねえ。冷凍庫からシャーベットを取り出してテーブルに置き、用に紛れてそのまま忘れていました。数時間後に、ジュースになっていましした。
       *

 夏衣の白らか風にそよがせて    遊香
夏 夏衣(なつきぬ)は衣類。 うの花の白から夏衣の白へ。風は吹物 「なつごろも」と読むと字余り、「なつぎぬ」はあまりなじみのない読み方。夏衣へのこだわりを捨てて、
 
 白らかに衣は風にさやぎゐて

と、うの花の垣根から見えた「春すぎて夏来にけらし白妙の衣ほすてふ天の香具山」の風景にしてはいかが? 雑の句になります。

 いそいそとにほひ袋の過ぎ行きて
雑 「卯の花や妹が垣根のはこべ草」(蕪村) 恋の呼びだしのような句ですが、表に恋の句は出さないことになっていますので、ここはじっと我慢。

 わらんべのきらきら水に戯(あざり)りゐて
雑 「わらんべ」「わらはべ」は童の転。水は水辺用 季語はないけれど、気分はまぎれもなく夏。
 
 水ぎわに誘はれのんどうるほして
雑 水ぎわは水辺用か体か、くわしい状況次第です。「うるほし」は「潤して」と漢字の方がよいかも。どこかアフリカのサバンナの風景へと誘われるような句です。その場合は水辺体になります。
 

by 連歌楽歳 (2015-07-27 14:28) 

遊香

楽歳さま
素敵なお手直しを、ありがとうございました!
今日も熱中症予防に、せっせと水分補給です。冷凍冷蔵庫のある時代に感謝しました。
by 遊香 (2015-07-29 00:53) 

梢風


 水ぎわに誘はれのんどうるほして    遊香

    付

  鄙の遊びの尽くることなし        梢風
  風の降り来る石山のかげ         〃
  ひと日のわざを終ふる安けさ       〃

「水ぎわ」→「水ぎは」ですね。「のんど」は「のみど」の転訛のように感じられますが、どうでしょうね。楽歳様よろしくお願いします。


by 梢風 (2015-07-29 09:50) 

連歌楽歳

●1折表3治定
  水ぎはに誘はれのんど潤して    遊香
「水ぎは」のご注意、ありがとうございました。「みづぎは」「みなぎは」と、読みはお好みで。ついでに「うるほして」を「潤して」と漢字にしましょう。「のんど」のあとにひらがな動詞はちょっとくどい気がしますので。

●1折表4付け
 鄙の遊びの尽くることなし        梢風
雑 鄙は国郡

  風の降り来る石山のかげ         
雑 風は吹物 石山は山類か?

  ひと日のわざを終ふる安けさ       
雑 ひと日は数詞+日次の日


by 連歌楽歳 (2015-07-29 23:39) 

連歌楽歳

梢風さまの
  風の降り来る石山のかげ
を頂き、

初折表5付
  移す歩に添ひくる月の清らなる    夢梯
  白き径照らして早も月上る
  白々と行く手を照らす望の月
  うねうねと高きへ続く白き道
  旅ゆけば姿は見えず鳥の声
  鳥々の声聴き分けて旅すがら

     以上、夢梯さまから暑中見舞いともども、郵便で治定・付け句が届きました。

*     *     *

  移す歩に添ひくる月の清らなる    夢梯
秋 月 「歩」は「ほ」とよむのでしょうか。「あゆみ」では2音はみ出ます。「移す歩に」の移動感を「ここかしこ」に変えましょう。
  ここかしこ添ひくる月の清らなる

  白き径照らして早も月上る
秋 月 道と道は5句隔てるとあるので「径」も該当と思われる。 道は地儀の可能性。

  白々と行く手を照らす望の月
秋 月

  うねうねと高きへ続く白き道
雑 道と道は5句。

  旅ゆけば姿は見えず鳥の声
雑 旅 鳥類 発句の空蝉(セミ)とここの鳥はなか3句を隔てているのでOK。

  鳥々の声聴き分けて旅すがら
雑 旅 鳥類

 

by 連歌楽歳 (2015-08-05 01:04) 

連歌楽歳

<初折表5>に、

  白き径照らして早も月上る     夢梯

をいただき、<初折表6>付け

  たそがれ裂いて渡るはつかり
  楓寒げな夜の訪れ
  やがてむら雲虫の音もやむ

  *
  たそがれ裂いて渡るはつかり
秋 雁(2句もの、秋1、春1。この場合、初雁で秋)は鳥類 たそがれは時分、たそがれに「夕」字は打越を嫌う。

  楓寒げな夜の訪れ
秋 楓(木類)・夜寒 夜分

  やがてむら雲虫の音もやむ
秋 虫(一座一句物) 虫類 雲は聳物



by 連歌楽歳 (2015-08-06 14:34) 

連歌楽歳

<1折表6付け句とりかえ>

  やがてむら雲虫の音もやむ

上記の句を削除します。発句に蝉がいました。間合いを誤認。

<取り替え句>

  やがてむら雲遠く稲妻

秋 稲妻(光物) 雲は聳物 

by 連歌楽歳 (2015-08-06 15:05) 

路花

猛暑の続いた後だからこそ、この涼しさが快く嬉しく感じられます。

やがてむら雲遠く稲妻
  をいただきます。

烏瓜賎が家に灯をともすごと
急ぎ往く妹に持たせむ秋袷
家苞に母手づくりの零余子飯
異国(とつくに)の夫への文にこぼれ萩

相変わらずの拙い句でお恥ずかしい限りですが、どうぞご指導をよろしくお願いいたします。
by 路花 (2015-08-09 16:10) 

連歌楽歳

  烏瓜賎が家に灯をともすごと
秋 烏瓜は草類(古典連歌では使われなかったが、俳諧では古く由緒ある季語) 賎が家は居所

  急ぎ往く妹に持たせむ秋袷
秋 秋袷は衣類 人倫 

  家苞に母手づくりの零余子飯
秋 零余子飯(食べ物であり草類から除外) 人倫

  異国(とつくに)の夫への文にこぼれ萩
秋 萩は草類 異国は国郡 人倫 文は3句もの(恋1、旅1、文学1。恋の文なのか、旅の文なのか迷うところですが、「異国の」とあるので、旅)

          *

前句の「やがてむら雲遠く稲妻」について、ちょっとご説明。稲妻は『連珠合璧集』ではその前の「月」ともども光物に分類されています。光物同士は3句隔てる決まりですが、のちに肖柏が『連歌新式』を改訂し、日・月と稲妻は嫌わずとしました。元禄のころの連歌作法書『産衣』では、稲妻は光物にあらずとされました。


by 連歌楽歳 (2015-08-09 20:09) 

如月

宗匠様、ご連衆の皆様
(書きかけのメールが消えてしまいました。もし書きかけ状態のものが届きましたら、失礼をおゆるしくださいませ。そのメールには選句の迷い、オモテの了解事項、宗匠様のアドヴァイスなどいろいろと書きかけておりましたが――もしかしてご参考になるかもしれないと思いましてー―それはもう全部省くことにいたします。)

涼しくなりました。一昨日からの雨が効いているのでしょうか。
どか雨や強風は困りますが、何はともあれ気温低下は嬉しい限りです。

またしても私のところで停滞してしまいまして、まことに申し訳ありませんでした。
路花さまのお句のうち、

   烏瓜賎が家に灯をともすごと

を頂戴させていただきます。黄色が目を射るすてきな景ですね。

拙付は以下のとおりです。

  ・展げしままにものがたりぶみ 
    (ものがたりぶみは物語書)
   ・もの炊ぐ香の厨口より
  ・とぎれつ続く御習(さら)ひの声 
   (「とぎれつ」が文法的にまずいということでしたら、
    とぎれつつ言ふ御習いの声)
  ・何待つとなく座り直しぬ
  ・鐘の音のほか聞こゆるもなく

以上でございます。
宗匠様、そして次句ご担当の蘭舎さま、なにとぞご指導、ご一直など、よろしくお願い申し上げます。   

by 如月 (2015-08-18 11:49) 

連歌楽歳

  展げしままにものがたりぶみ 
    (ものがたりぶみは物語書)
雑 ものがたりぶみ(物語書)の「書」は「文(ふみ)」と同一であるか、類似の異体であるか、悩ましいところ。文は3句もの(恋1、旅1、文学1)。原文が「ものがたりぶみ」とひらがな表記なので、「ふみ」(文)は3句もの、としておきます。ご意見お寄せ下さい。

  もの炊ぐ香の厨口より
雑 厨は居所

  とぎれつ続く御習(さら)ひの声 
   (「とぎれつ」が文法的にまずいということでしたら、とぎれつつ言ふ御習いの声)
雑 とぎれつの「つ」は完了の助動詞、動作の反復を著す助詞{つつ}の方がぴったりです。岩波の古語辞典では「浚へ」と表記されていますので、「おさらひ」とひらがな表記にしましょう。「とぎれつつ言ふおさらひの声」

  何待つとなく座り直しぬ
雑 

  鐘の音のほか聞こゆるもなく
雑 鐘は4句もの(只1、入相1、釈教1、異名1) 私の場合、「聞こゆるもなし」がひっかかります。「もなし」は連歌で多用されていますが、「秋の時雨は濡るる(間)もなし」のような形で使い、「濡るるもなし」ような用例はみかけません。そういうことで「「聞こゆるものはただ鐘の音」でどうでしょうか。



by 連歌楽歳 (2015-08-18 15:33) 

連歌楽歳

第2句の「垣のうの花」と第7句の「賤が家」は、居所なか4句でルール違反ですが、いまさらどうしようもないので無視します。
by 連歌楽歳 (2015-08-18 16:02) 

如月

宗匠様
 ご丁寧なコメントとお直し、まことにありがとうございました。
「とぎれつ」とか「聞こゆるもなく」…など、文法知識の曖昧なまま句をつくっておりまして、恥ずかしい思いに駆られます。
表現や表記を直してくださいまして、感謝申し上げます。

 居所に関しましては、5句以上離れていなくてはならない、ということでしょうか。本来でしたら、選句のし直しをするという場面なのでしょうか。免れさせていただけますこと、ありがたいです。
私も「厨口」の言葉をつかっていますので、もしこれをお取りいただくことになりましたら、居所の連続になりますね。
 人倫の句にくらべると風景の句は、付をつけやすいように感じられたことは確かでした。
 今回も、初歩的な質問にお答えくださり、種々アドヴァイスをいただき、ご教示ありがとうございました。

 なお、冒頭の写真は、ヨガをしている女性のようにも見えますが、あるいは、衣を翻して空をかけ降り衆生を救おうとしている菩薩のようでもありますね。素敵な彫像です。どこで撮影されたのですか、いつでも結構ですのでおついでのときに教えてくださいませ。
 

by 如月 (2015-08-19 01:29) 

連歌楽歳

居所と居所は5句隔てる。3句までなら居所を連続して使ってよろしい――これが『連歌新式』の原則です。「うの花」「賎が家」が中4句であることに早い段階でわかっていれば、捨てるか作り直しになります。いまとなっては差し戻しは手数がかかるので、無視することにしました。

宗祇が一座した『美濃千句』第4何路百韻3折表に、

⑤花の散春の日数のけふつきて
⑥かねのひゝきにかすむやま里
⑦滝さへや此ころ水はぬるむらん
⑧身をもなみたにひたす手枕
⑨いねかての袖のうえこす秋の風
⑩田の面の庵の月のさひしさ

と、居所「やま里」(山は山類、里は居所)と居所「庵」を中3句で使った例があり、軽微なミスであるという理屈付けです。

ついでに説明しておきますが、この巻の

発句    空蝉の見果てぬ夢や明けの空
脇句    けふ咲き初めし垣のうの花 

にある、空蝉(セミ)は連句で夏の終わりの詞とされ、うの花は夏の始めの詞とされています。連句でいう季戻りですが、むかしの連歌師たちはこの点にわりあい無頓着でした。明治書院の『俳諧大辞典』を引くと、「季戻り……連句用語」となっています。この辞典は連句・連歌に共通の用語は「連俳用語」としていますので、季戻りは連句独特のしきたりのようです。連歌の作法書で「季戻り」という用語は未見です。

先に引用した『美濃千句』第4何路百韻

⑤花の散春の日数のけふつきて
⑥かねのひゝきにかすむやま里
⑦滝さへや此ころ水はぬるむらん

では、⑤が最晩春⑥が連句でいう三春⑦が初春(ないしは仲春)となっていて、現代の連句をおやりになる方は、季戻りか、いや三春をはさんでおり、晩春に直接初春を付けたわけではないので季戻りにあたらない、など議論になる場面ですが、連歌ではそのような議論は生じません。

この巻の発句「空蝉」に脇句で「うの花」を使ったのは、連句であれば典型的な季戻りですが、さて、連歌の場合どうでしょうか。基本的に連歌では「季戻り」という考え方がありませんので、問題は生じません。もし連句式に考えたとしても、蝉は『至宝抄』が仲夏、『連珠合璧集』が晩夏、『白髪集』が旧暦5-6月にわたるとしていますので、初夏のうの花に仲夏の蝉をつけた程度では、順当な季節感の許容範囲と考えられます。

なお、ブログの飾り写真ですが、東京国立博物館の東洋館で撮影したものです。ヘレニズムとインド的アジアが融合した西域の飛天像だったと記憶しています。

by 連歌楽歳 (2015-08-19 15:19) 

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